キキョウ
2016/07/16
キキョウ
奈良県吉野郡十津川村武蔵
秋の七草
秋の七草といえば、万葉集で山上憶良(やまのうえ の おくら)が詠った、
「萩の花 尾花葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝貌(あさがほ)の花」
が思い浮かびますが、ここで歌われている「朝貌」については諸説あり、
「槿(ムクゲ)」「朝顔」「桔梗」「昼顔」などが候補にあがりました。
万葉集では他にも「朝顔は 朝露負ひて 咲くといへど 夕影にこそ 咲きまさりけれ」という歌があり、
朝顔が平安時代に中国から渡来した外来種であること、朝顔は夕方には萎むこと、
槿については草本ではなく落葉低木であることなどから、
万葉集の「朝顔」はキキョウを歌ったものではないかと言われています。
キキョウは多年性の草本植物で、以前は全国の日当たりや水はけが良い山野や草原に広く分布していましたが、現在では環境の変化による草原の減少によって個体数が減り、環境省から絶滅危惧種に指定されています。